あんしんクラウドサービス開発の経緯

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私には 92歳になる母がいます。母は私の自宅から車で5分程度の場所にある実家でひとりで暮らしています。最近少しばかり認知症の症状が出てきましたが、なんとか自立した生活ができる状況で、長年住み慣れた自分の家で できる限り長く在宅生活を続けたいと希望しています。

そんな母に対して私が不安に思い続けていたことは「火の不始末」と「転倒」の二点でした。母が80代前半の頃からは毎日、朝か夕方に電話を入れ、この二点を口やかましく念押しする日々が続いていました。
その時 不便を感じたのは、仕事を抱えた私と年老いた母では 生活の時間軸が合わないこと、年を追うごとに耳が遠くなっていく母との電話での会話の不便さ、不効率さでした。

なんとか効率よく母親の毎日の生活の様子を確認できないものかと考えていた2017年、共同経営者の松山友一君が 最初の「あんしんクラウド」サービスを考えだしてくれました。
このサービスは、ひとり暮らしのご高齢者宅の玄関先にQRコードを印刷したシートを貼っておき、訪問する介護サービス事業者や宅配事業者、近隣の在住者の皆さまに お手持ちのスマホでQRコードを読み取っていただき、QRコードごとに紐づいたイラストとコメントで「今日も元気です」「今日はデイサービスに行ってきました」などご高齢者の様子を、専用のSNSを使ってご家族にお届けする、というものでした。
ところが、肝心の協力者を得られず、あえなくサービス展開を断念せざるをえなくなり、見事失敗に終わりました。

そんなとき、知人の紹介でNECプラットフォームズ社の「PaPeRo i(パペロアイ)」に出会いました。
パペロは、アクションを起こすときホッペを赤らめたり、首を傾げたりする姿がとても愛らしく感じられ、また ご高齢者の様子を撮影できるカメラや、部屋の温度・湿度を図るセンサーなど、見守りを行うのに必要な機能が揃っていると感じました。
「パペロを使えば、協力者を得られなくてもご高齢者の見守りができる」「AIサービスを併用すれば、ご高齢者がパペロとの会話を楽しむことができ、少しでもひとり暮らしの寂しさが解消されて、日々明るく元気な生活を送っていただけるのではないか」という期待を持てるパーソナルロボットでした。
早速、松山君が「あんしんクラウド」のソフトウェアプログラムをパペロ用に改造し、「あんしんクラウド for PaPeRo i」が完成しました。

その後、科学技術振興機構(JST)の「戦略的イノベーション創出推進プログラム」「高齢者の記憶と認知機能低下に対する生活支援ロボットシステムの開発」プロジェクトにおける実証実験用のサービスとしてご採用いただき、その効果測定結果なども踏まえ、機能、サービスに改良を重ね、現在では離れて暮らすご高齢者とそのご家族の皆さまに「みまもり」「家族間でのコミュニケーション」「在宅ご高齢者の生活の質の向上」という三つの要件を中心にご利用いただいております。

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